5912.jpg
上司と不倫、「離婚する」は結局ウソ!? 「家庭に戻ることは許さない」慰謝料請求したい
2019年08月07日 09時50分

「妻とは離婚する」。不倫相手のそんな言葉を信じて、ひたすら待ち続けている人も多いかもしれません。弁護士ドットコムには、「離婚する」と言ってしない彼に慰謝料請求したいという相談が寄せられています。

相談者の女性は、3カ月前から会社の上司と不倫をしています。上司は「7月までに決着をつける。弁護士にどうしたらいいか相談しに行く」と話しましたが、実際には行きませんでした。「ふとした時に出る話題を聞いていると離婚するようには、思えなくなってきています」と不信感を募らせています。

「何もなかったかのように家庭に戻ることは許せません」。女性は上司の妻にバレることも承知で、騙されていたとして慰謝料請求を考えていますが、請求はできるのでしょうか。光安理絵弁護士に聞きました。

「妻とは離婚する」。不倫相手のそんな言葉を信じて、ひたすら待ち続けている人も多いかもしれません。弁護士ドットコムには、「離婚する」と言ってしない彼に慰謝料請求したいという相談が寄せられています。

相談者の女性は、3カ月前から会社の上司と不倫をしています。上司は「7月までに決着をつける。弁護士にどうしたらいいか相談しに行く」と話しましたが、実際には行きませんでした。「ふとした時に出る話題を聞いていると離婚するようには、思えなくなってきています」と不信感を募らせています。

「何もなかったかのように家庭に戻ることは許せません」。女性は上司の妻にバレることも承知で、騙されていたとして慰謝料請求を考えていますが、請求はできるのでしょうか。光安理絵弁護士に聞きました。

●「不法行為」とまでは言えない

ーー相談者は相手が本当に離婚するのか、不信感を抱き始めたようです

信じて待っているのに不信感だけが募る。辛いですよね。本当は離婚しないのではないか、離婚する、という上司の言葉にすがっている状態かもしれません。

相手に対し損害賠償できるのは相手の「不法行為」により、こちらに「損害」が発生したときです。「損害」というのは、騙されて金銭を交付してしまった場合はもちろん、著しい精神的苦痛を被った場合も含みます。

ーーでは、今回の事例も慰謝料請求はできるのでしょうか

今回は、既婚であるのに未婚であると騙し、こちらも相手が未婚と完全に信じたからこそ関係を持ったという場合と異なり、既婚であることを知りながら相談者の方が関係を持ったようにうかがえます。

また、相談者の方は「離婚しないかも」と思いながらも、関係を継続してしまっているようです。

すると、不倫相手である上司が、相談者の方に「離婚する」と話していたことは、「不法行為」とまではいえませんし、相談者の方も完全に騙されていたとまでは認められない可能性が高いです。

●上司の妻から逆に慰謝料請求される可能性も

ーー今回の事例では、難しいということですね

不倫事案では、不倫相手に対し、離婚するつもりはないのに「配偶者とはうまくいっていない」、「家庭内別居である」、「離婚するつもりである」と話す人は多いです。

一方で、もし今回の関係が発覚すれば、上司が既婚であると分かって関係を継続していることを理由に、上司の妻から逆に慰謝料請求される可能性は高いでしょう。

何もなかったかのように家庭に戻るのは許せないというお気持ち、とてもよく分かります。

どうしても許せない場合は、上司と関係を清算するための話し合いをきちんと持ち、相談者の方の気持ちを伝えてみましょう。ただ、その後は、きっぱりと関係を絶つことをおすすめします。

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る