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酒井美紀さん、不二家の「社外取締役」就任へ…芸能人が「起用」されるのはなぜ?
2021年02月24日 10時00分

女優の酒井美紀さんが、マスコットキャラクター「ペコちゃん」で知られる洋菓子メーカー「不二家」の社外取締役に就任することが明らかになり、話題となっている。

酒井さんはテレビドラマや映画などで幅広く活躍。1996年の人気ドラマ「白線流し」(フジテレビ系)では、主演をつとめた。

不二家によると、酒井さんは、3月24日開催予定の株主総会での選任手続きを経て就任する予定だという。起用理由について、同社の広報担当者は、弁護士ドットコムニュースの取材に次のように話した。

「女優として豊富な経験があり、世界の子どもたちを支援する社会的活動にも積極的に取り組むなど、いろいろな視点を持っている方。2020年に『ペコちゃん70周年アンバサダー』に就任していただいたこともあり、それらの経験や消費者の視点から、当社の経営について外部から助言していただきたくお願いしました」

女優の酒井美紀さんが、マスコットキャラクター「ペコちゃん」で知られる洋菓子メーカー「不二家」の社外取締役に就任することが明らかになり、話題となっている。

酒井さんはテレビドラマや映画などで幅広く活躍。1996年の人気ドラマ「白線流し」(フジテレビ系)では、主演をつとめた。

不二家によると、酒井さんは、3月24日開催予定の株主総会での選任手続きを経て就任する予定だという。起用理由について、同社の広報担当者は、弁護士ドットコムニュースの取材に次のように話した。

「女優として豊富な経験があり、世界の子どもたちを支援する社会的活動にも積極的に取り組むなど、いろいろな視点を持っている方。2020年に『ペコちゃん70周年アンバサダー』に就任していただいたこともあり、それらの経験や消費者の視点から、当社の経営について外部から助言していただきたくお願いしました」

●芸能関係者や元スポーツ選手の起用もちらほら

社外取締役には、他企業の経営者や弁護士、大学教授などの有識者が起用されることが一般的に多いが、芸能関係者や元スポーツ選手が起用されることもある。

たとえば、教育サービスの学研では、女優の城戸真亜子さんが社外取締役をつとめている。ゲーム・アミューズメントのコナミは、ソウル五輪の女子柔道銅メダリストの山口香さんを社外取締役に起用。プロ野球ヤクルトスワローズで活躍した古田敦也さんは、業務用カラオケの第一興商の社外取締役をつとめている。いずれも東証1部上場の大手企業だ。

芸能関係者や元スポーツ選手の起用であっても、「取締役」である以上、企業経営に責任を持つ立場であることには違いない。社外取締役は、具体的にはどのような役割を期待されているのだろうか。企業法務にくわしい今井俊裕弁護士に聞いた。

●社外取締役は「モノ申すことが期待される立場」

——社外取締役の役割とはどのようなものでしょうか。

誤解をおそれず、ごく簡単に説明すれば、社外取締役とは、会社の経営や業務執行にあたる取締役を監視して、いざとなれば仮に相手が社長や先輩取締役であっても、モノ申すことが期待されている立場の人です。

法令上の要件は複雑ですが、その性質上、社長以下、会社の経営者のラインに属さない立場の人です。親会社の関係者などもなれません。

従来も、監査役会を置かない委員会設置会社などには、コンプライアンスのために社外取締役の設置義務がある一方、監査役会を置く会社には設置義務がありませんでした。しかし、2021年3月1日施行の改正会社法で、監査役会を置く会社でも社外取締役を設置しなければいけなくなります。

——そこまで設置を徹底させようとする趣旨は何でしょうか。

会社経営を外部の目線でチェックすることで、経営の適正化およびコンプライアンス強化を図り、ひいては内外の投資家の信頼を高めようという趣旨です。

また、時代の変化や潮流を敏感に察知して経営に取り入れたり、わが国の企業の国際的発展を目指すという視点もあります。

——「取締役」と「社外取締役」では、責任の重さは違うのでしょうか。

もちろん社外であっても取締役には違いないので、原則として、ほかの取締役と同種類の責任を負っています。

ただし、重い責任があるから「社外取締役の成り手がいない」というような事態にならないよう、会社に対して自らが賠償責任を負うこととなった場合の賠償額を限定する契約を就任時にすることが認められています。

●「会社法が本来予定している役割を期待されての起用とは考えづらい」

——元スポーツ選手や芸能関係者の起用には、一般的にどのような思惑があるのでしょうか。

起用する企業の真意はなかなかわかりませんが、経営のチェックや、社長・社内の取締役の監視といった本来の役割を期待されているとは考えづらいです。

企業イメージや提供商品の消費者層への訴求力などに期待してるのかもしれません。消費者のニーズや商品トレンドをいち早くキャッチすることも、企業経営において重要であり、社外取締役がその役割を果たしうるならば、それ自体は良いことです。

しかし、社内の取締役に対する監視がなおざりでは意味がありません。

芸能関係者や元スポーツ選手の起用に限った話ではありませんが、もし仮に、社長や社内の取締役などが、「社外取締役は自分たちの行動の監視など余計なことをしなくていい」などと考えているのであれば、それは本来の役割を理解できていないと言わざるを得ないでしょう。

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