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マッチングアプリに潜む「既婚者」トラブルに巻き込まれる恐れも
2020年02月18日 09時04分
#マッチングアプリ

マッチングアプリで知り合った相手が「既婚者」だったーー。このような悩みを抱えている人は少なくありません。中には、相手の配偶者に慰謝料を請求されるなど、思わぬトラブルに巻き込まれてしまう人もいるようです。

弁護士ドットコムにも「相手が『独身』であると信じ、肉体関係を持った場合、私は法的責任を負うのでしょうか」と心配する男性から、相談が寄せられています。

相談者は婚活のために大手マッチングアプリに登録。そこで知り合った女性に食事に誘われたそうです。

アプリでは、登録時に運転免許証やパスポートなどの身分証明証を提出しなければならず、既婚者の登録は禁止されています。しかし、偽物の身分証明書を提出したり、既婚であることを隠して登録する人もいるため、相談者は不安があるようです。

もし、女性が本当は「既婚者」で肉体関係を持った場合、慰謝料を請求される可能性はあるのでしょうか。どのようにすれば、リスクを回避することができるのでしょうか。河内良弁護士に聞きました。

マッチングアプリで知り合った相手が「既婚者」だったーー。このような悩みを抱えている人は少なくありません。中には、相手の配偶者に慰謝料を請求されるなど、思わぬトラブルに巻き込まれてしまう人もいるようです。

弁護士ドットコムにも「相手が『独身』であると信じ、肉体関係を持った場合、私は法的責任を負うのでしょうか」と心配する男性から、相談が寄せられています。

相談者は婚活のために大手マッチングアプリに登録。そこで知り合った女性に食事に誘われたそうです。

アプリでは、登録時に運転免許証やパスポートなどの身分証明証を提出しなければならず、既婚者の登録は禁止されています。しかし、偽物の身分証明書を提出したり、既婚であることを隠して登録する人もいるため、相談者は不安があるようです。

もし、女性が本当は「既婚者」で肉体関係を持った場合、慰謝料を請求される可能性はあるのでしょうか。どのようにすれば、リスクを回避することができるのでしょうか。河内良弁護士に聞きました。

●女性が「既婚者」だった場合、女性の夫に慰謝料を請求される可能性も

ーー女性が本当は「既婚者」で、肉体関係を持った場合のことを相談者は心配しているようです。このような場合、相談者は女性の夫に慰謝料を請求される可能性はありますか

「可能性はあるでしょう。この場合、相談者が、女性は独身であると『過失なく信じたと認められる』のであれば、慰謝料を支払う義務はないというのが判例の立場です。

しかし、裁判実務上は、慰謝料を請求されている側(今回のケースでは、相談者の側)が『過失なく信じた』ことを立証しなければならないことが多いです。そのため、裁判を起こされた場合の立証活動まで見据えて、準備をしなければなりません」

●実際に慰謝料を請求された場合はどうする?

ーー万が一、慰謝料を請求された場合はどのように対応すべきでしょうか

「もし、訴えを起こされる前の交渉段階で、相談者が『(慰謝料は)1円も支払いません』と言い返した場合、女性の夫としては『はい、そうですか』と引き下がるわけにもいきませんので、裁判を起こしてくるだろうと思われます。

このため、裁判を起こされることが絶対に嫌(関わるのが面倒とか、家族に知られたくない事情があるなど)という場合、実際の流れとして、相談者は『(女性が)独身だと信じて関係を持ったから、あなたに慰謝料を支払う義務はない。ただ、少額の御見舞金くらいなら支払う用意はある』と対応することになるでしょう。

対して、裁判を起こされても問題ない(むしろ正々堂々と戦う覚悟がある)ということであれば、すこし流れは変わってきます。この場合には、弁護士に委任して一緒に闘うのが無難な選択だと思います。

まずは弁護士に相談後、その助言に基づく証拠保全活動(マッチングアプリで知り合ったことを示すやり取りの保存や、マッチングアプリの既婚者参加禁止という規約を印刷して保管しておくなど)を行います。

そして、『(女性が)独身だと信じて関係を持ったから、あなたに慰謝料を支払う義務はない。裁判を起こすなら受けて立つからご自由に」と返答することになると思われます」  

●「大手」だからといって、信用できるわけではない

ーー相談者のようにマッチングアプリでの出会いに不安を抱いている人もいます。リスクを回避するためには、どのようなことに注意すべきでしょうか

「マッチングアプリや出会い系サイトが『大手』だからといって、信用できるわけではありません。本人確認の精密さに保証がないような場所で知り合った異性と、安易に肉体関係を持たないことです。トラブルの元となりますので、自分を守るためにも軽率な行動は取らないように注意しましょう。

後から『専門家に早期に相談しておけば、これほど傷が広がらずに済んだのに』と悔やむ場合も少なからずあるのは事実です。トラブルに巻き込まれたら、弁護士に相談しに行ってほしいと思います」

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