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財団法人、「虚偽申告」理由に労災認定された職員を提訴するも敗訴 東京地裁
2023年12月18日 16時58分

中小企業向けの特定保険業等をおこなう一般財団法人「あんしん財団」が、労災認定をめぐって国と元職員2人に対し、計約460万円を求めていた訴訟で、東京地裁(堀田次郎裁判長)は12月15日、財団側の請求を棄却する判決を言い渡した。

判決によると、同財団は経営改革として、2013年に複数の女性職員を事務職から営業職へ職種転換させ、2015年にはそのうち営業成績が下位だった職員を転勤させた。

今回訴えられた元職員2人はそれぞれ北海道と埼玉県で働いていたが、2015年3月に勤務地を入れ替える形の内示があったことで体調を崩し、同年6月に精神疾患で休職となった。2人は労災を申請し、ともに認められた。

財団側は今回の裁判で、労災の審査にあたり元職員2人が虚偽の事実を申告したことで、国が誤った判断をしたなどと主張。労災保険料等の損害を受けたとして、国と元職員それぞれに損害賠償を請求していた。

これに対し裁判所は、元職員2人の申告等は虚偽とは言えず、労基署等の判断にも誤りはないと認定し、財団側の請求を棄却した。

なお、2015年の職種転換をめぐっては、退職強要の目的でおこなわれたものだとして、複数の労働者が財団を訴えているが、一審で労働者側の請求が一部認容されたものの、二審で逆転敗訴となり、最高裁の上告に棄却で確定している。

中小企業向けの特定保険業等をおこなう一般財団法人「あんしん財団」が、労災認定をめぐって国と元職員2人に対し、計約460万円を求めていた訴訟で、東京地裁(堀田次郎裁判長)は12月15日、財団側の請求を棄却する判決を言い渡した。

判決によると、同財団は経営改革として、2013年に複数の女性職員を事務職から営業職へ職種転換させ、2015年にはそのうち営業成績が下位だった職員を転勤させた。

今回訴えられた元職員2人はそれぞれ北海道と埼玉県で働いていたが、2015年3月に勤務地を入れ替える形の内示があったことで体調を崩し、同年6月に精神疾患で休職となった。2人は労災を申請し、ともに認められた。

財団側は今回の裁判で、労災の審査にあたり元職員2人が虚偽の事実を申告したことで、国が誤った判断をしたなどと主張。労災保険料等の損害を受けたとして、国と元職員それぞれに損害賠償を請求していた。

これに対し裁判所は、元職員2人の申告等は虚偽とは言えず、労基署等の判断にも誤りはないと認定し、財団側の請求を棄却した。

なお、2015年の職種転換をめぐっては、退職強要の目的でおこなわれたものだとして、複数の労働者が財団を訴えているが、一審で労働者側の請求が一部認容されたものの、二審で逆転敗訴となり、最高裁の上告に棄却で確定している。

●財団側は別途、労災取消訴訟も

財団側は今回の元職員2人について別途、労災認定取り消しを求める裁判も起こしている。1人については提訴後に取り下げたが、もう1人ついては一審で法人には訴える資格(原告適格)がないとする敗訴判決が出たものの、二審で原告適格を認め、審理を地裁に差し戻す判決が出ている(国などが上告し、最高裁で審理中)。

元職員側代理人の嶋﨑量弁護士は判決後の会見で、「仮に労災が取り消しになれば財団側の損害はなくなるだろう。労災を争うならまだしも、被災者個人を巻き込まなくても良いはずだ」と今回の裁判に否定的な見解を示した。

元職員2人も、今回の裁判は財団による「スラップ訴訟」だとして、計330万円を求めて反訴していた。

ただし、この点について裁判所は、労働者側が労災の審査に際しておこなった申述には主観的な部分などもあり、財団側がその信用性に疑問を持ったとしても、無理からぬ面があることは否定できないなどとして、提訴自体は著しく不合理とは言えないと判断し、元職員側の請求も棄却した。

なお、元職員2人は2022年5月20日付けで解雇されており、解雇無効を求めて、東京地裁の別の裁判で財団側と争っている。

財団側は今回の判決について、「内容を精査して今後の対応を検討していきたい」とコメントした。

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