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ピエール瀧さん、コカイン使用で逮捕 保釈後に治療、回復への道を歩む人も
2019年03月15日 10時00分

ミュージシャンで俳優のピエール瀧さんがコカインを使用したとして、3月12日、麻薬取締法違反(使用)の疑いで関東信越厚生局麻薬取締部に逮捕された。

報道によると、12日夜に任意でおこなった尿検査でコカインの陽性反応が出たという。自室からコカインはみつかっていないが、ストロー状に巻かれた韓国紙幣1枚が押収され、コカインの吸入に使ったとみられている。瀧さんは容疑を認めているとのことだ。

ミュージシャンで俳優のピエール瀧さんがコカインを使用したとして、3月12日、麻薬取締法違反(使用)の疑いで関東信越厚生局麻薬取締部に逮捕された。

報道によると、12日夜に任意でおこなった尿検査でコカインの陽性反応が出たという。自室からコカインはみつかっていないが、ストロー状に巻かれた韓国紙幣1枚が押収され、コカインの吸入に使ったとみられている。瀧さんは容疑を認めているとのことだ。

●「自粛」の動きに疑問視する声

数々の人気作品に出演してきた瀧さん。瀧さんが所属する電気グルーヴの公式サイトによると、逮捕を受け、CDや映像商品の出荷停止、店頭在庫の回収やデジタル配信の停止をおこなうとされている。ツアーの東京公演(15日・16日)も中止になった。

セガゲームスは公式サイトで、当面の間、PS4ソフト「JUDGE EYES:死神の遺言」の製品出荷やDL販売などの自粛を発表。出演中のNHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」については、16日昼放送予定の再放送分は出演シーンをカットし、以後の放送分からは出演シーンがないよう編集されると報じられている。

コカインは違法薬物だ。1度でも使えば「罪」になる。しかし、違法薬物の自己使用に「被害者」はいない。

それにも関わらず、大きすぎる影響に、ネット上には「ここまで自粛が必要なのか」と疑問視する声も上がっている。

●初犯は執行猶予がつくことが多い

法的には今後、どのように手続きが進むのか。

コカインは「麻薬」として規制されている。「警察白書」(平成30年版)によると、2017年の検挙人員は177人。覚醒剤事犯(10113人)と比較すると数は少ないが、年々増加傾向にある。

コカイン使用の法定刑は、営利目的がない使用(施用)の場合は「7年以下の懲役」となる(麻薬及び向精神薬取締法)。なお、冨本和男弁護士によれば「瀧さんは初犯なので、執行猶予がつく見込みはあるのではないか」という。

保釈時期についてはどうか。

冨本弁護士は「入手ルートが問題になるので、勾留期間を延長して取り調べが継続するのではないか。逮捕から勾留までの最大72時間、次に、最初の勾留が10日間、延長が認められればさらに10日間。この間、起訴されたとして、おおよそ1カ月程度」とみる。

保釈には、身元引受人と保釈金が必要だ。

「通常、身元引受人は同居する家族となることが多いです。また保釈金の金額は、罪の内容に限らず、事件の重大性、その人の支払い能力に左右されますので、一概には言えません」(冨本弁護士)

●保釈後に治療につながるケースも

違法薬物を使う背景にはさまざまな事情がある。薬物をやめたくてもやめられない「薬物依存症」に悩んでいる人も少なくない。

この場合、病院や回復支援施設などで回復のために治療をおこなう必要がある。その1つ、ダルク(薬物依存症の回復支援団体)には薬物依存症から回復し、スタッフとして仲間をサポートしている人も少なくない。

しかし、勾留中はなにもすることができない。そこで、保釈が重要となる。保釈後に、ダルクや病院などにつながることもできるからだ。

歌手のASKAさんや元野球選手の清原和博さんは、保釈後に治療につながり、回復への道を歩み続けている。

(弁護士ドットコムニュース)

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