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フジテレビだから仕方ない? 日本シリーズの裏で起きた「取材パス剥奪」の法的問題
2024年11月15日 10時13分

横浜DeNAベイスターズが「日本一」に輝いたプロ野球・日本シリーズの裏で、日本野球機構(NPB)がフジテレビの「取材パス」を剥奪するという「珍事」が起きていた。

ことの発端は、フジテレビが日本シリーズの時間帯に、米大リーグのワールドシリーズのダイジェストを放送したことだったという。ドジャース・大谷翔平選手の活躍に世間の大きな注目が集まっていたころだ。

報道によると、NPB側は「信頼関係が著しく毀損された」(から)と説明したという。ネット上ではフジテレビが嫌われているのか、取材パス剥奪について肯定的な意見も目立つが、法的問題はないのだろうか。西山晴基弁護士に聞いた。

横浜DeNAベイスターズが「日本一」に輝いたプロ野球・日本シリーズの裏で、日本野球機構(NPB)がフジテレビの「取材パス」を剥奪するという「珍事」が起きていた。

ことの発端は、フジテレビが日本シリーズの時間帯に、米大リーグのワールドシリーズのダイジェストを放送したことだったという。ドジャース・大谷翔平選手の活躍に世間の大きな注目が集まっていたころだ。

報道によると、NPB側は「信頼関係が著しく毀損された」(から)と説明したという。ネット上ではフジテレビが嫌われているのか、取材パス剥奪について肯定的な意見も目立つが、法的問題はないのだろうか。西山晴基弁護士に聞いた。

●「違法とまではいえない」ことになりそうだが・・・

――NPBがフジテレビから取材パスを剥奪したことに法的な問題はないのでしょうか?

正当な理由なく取材や放送を拒否することは、テレビ局の「報道の自由」を侵害するとして、問題になる可能性があります。これに加えて、今回のように、特定のテレビ局だけの取材や放送を拒否するのは、独占禁止法にも抵触する可能性があります。

――独占禁止法では、どのような問題があるのですか?

独占禁止法の「取引拒絶」等として問題になる可能性があります。

プロ野球の放送権は、NPBや各球団が持っています。そのため、テレビ局がプロ野球を放送するには、NPBや球団から放送権の許諾を得る必要があります。

取材パスの剥奪は、放送権の許諾自体の拒絶ではないですが、取材パスがなければ、テレビ局は球場内で取材ができなくなるため、事実上、放送権の許諾を拒絶したものとして、法的に問題になる可能性があります。

――独占禁止法違反として違法になるのでしょうか?

独占禁止法違反となるには、取引拒絶等によって「相手の事業活動の継続が困難になるおそれ」が必要です。今回の行為は、相手がフジテレビという大手キー局だったこともあり、そこまでの影響があったとは言い難いと思われ、違法とまではいえない、という結論になりそうです。

ただし、今後も同様の行為を継続したり、プロ野球の試合全般の放送を拒絶したりすれば、影響が大きくなり、違法となる可能性は高まるでしょう。

――報道によると、NPBはフジテレビへの取材パスの没収を解除し、「協力体制を固めていく」方向でフジテレビと話し合いを行う意向を示しています。今後の話し合いの中で、他に問題となりうることはありますか?

もしNPBがフジテレビに対して「日本のプロ野球が中継されている時間帯は、米大リーグやワールドシリーズを放送しないように」などと求めるようなことがあれば、さらなる独占禁止法上の問題も生じるでしょう。

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