8901.jpg
伊藤詩織さん「一人一人に責任と認識を持ってもらいたい」リツイートだけでも賠償責任
2021年11月30日 15時24分

ツイッターの投稿で名誉を傷つけられたとして、ジャーナリストの伊藤詩織さんが漫画家のはすみとしこさんら3人を相手取り、慰謝料など計770万円の支払いと投稿削除、謝罪広告を求めた訴訟の判決が11月30日、東京地裁(小田正二裁判長)であり、はすみさんに88万円の支払い、はすみさんのツイートをリツイートした他2人に対しては、それぞれ11万円の支払いが命じられた。

伊藤さんははすみさんに対し謝罪広告の掲載も求めていたが、伊藤さんが自身の主張を広く一般に発信できること、はすみさんのアカウントが現在凍結されていることなどから認められなかった。

判決後、都内で記者会見した伊藤さんは「他の人の表現でもリツイートは自分の表現行為と認められたことは、SNSを使う環境下でとても大切な判決だったのではないか」と話した。

判決後に記者会見した伊藤詩織さん 判決後に記者会見した伊藤詩織さん

代理人の山口元一弁護士は「賠償金額はもう少し多くても良いと思ったが、日本の名誉毀損事件全般に関わる問題であり、今回に限ったことではない」と一定の評価をした。

ツイッターの投稿で名誉を傷つけられたとして、ジャーナリストの伊藤詩織さんが漫画家のはすみとしこさんら3人を相手取り、慰謝料など計770万円の支払いと投稿削除、謝罪広告を求めた訴訟の判決が11月30日、東京地裁(小田正二裁判長)であり、はすみさんに88万円の支払い、はすみさんのツイートをリツイートした他2人に対しては、それぞれ11万円の支払いが命じられた。

伊藤さんははすみさんに対し謝罪広告の掲載も求めていたが、伊藤さんが自身の主張を広く一般に発信できること、はすみさんのアカウントが現在凍結されていることなどから認められなかった。

判決後、都内で記者会見した伊藤さんは「他の人の表現でもリツイートは自分の表現行為と認められたことは、SNSを使う環境下でとても大切な判決だったのではないか」と話した。

判決後に記者会見した伊藤詩織さん 判決後に記者会見した伊藤詩織さん

代理人の山口元一弁護士は「賠償金額はもう少し多くても良いと思ったが、日本の名誉毀損事件全般に関わる問題であり、今回に限ったことではない」と一定の評価をした。

●一人一人の方に責任と認識を持ってもらいたい

リツイートについて判決は、2人がいずれもコメントを付すことなくはすみさんの投稿をリツイートし、前後のツイートにその意図が読み取れるようなものがうかがわれないことなどから、「被告らによる、被告ら自身の発言ないし意見でもあると言える」とし、賠償責任を認めた。

山口弁護士によると、2人は「人の意見を紹介しただけ」といった趣旨の反論をしていたという。

伊藤さんは「リツイートはすごく簡単にできる行為かもしれないけど、ネットの世界ではどんどん拡散されて残っていく。一人一人の方に責任と認識を持ってもらいたいと思ったので、今回判決で認められたことは大きなこと」と評価した。

はすみさんがイラストを「MeToo運動に対する風刺画」などとしていたことについては、「こうしたことが風刺という言葉で流されてはいけない。この判決はどんな金額であっても、どんな言葉でもあっても、一つの大きな一歩だと考えている」と話した。

また、今回の訴訟に関して「#伊藤詩織さんを支持します」と伊藤さんのイラストを付記した応援のハッシュタグが広がったことについて「すごく嬉しいこと。心から感謝しています」と笑顔を見せた。

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る